2024/01/26
こんにちは 管理栄養士の下山です。
今年もよろしくお願いいたします。みなさん年末年始はいかがお過ごしでしたか?長いお休みでおいしいものをいただく機会も多く、体重が増えてしまったという方も多いかと思います。
年明けの受診でお話しした患者さんも
○体重を測りつつ、調整して食べたら太らなかったよ〜?
○家族で外食、連日家でゴロゴロしながら煎餅やみかんを食べていたら太った?
(ご自身で原因を把握されており素晴らしいです!あとはリセットするのみ!)
と様々です。
忘年会、年末年始に続き新年会シーズンと食生活が乱れやすい時期が続きますが、体重が増えてしまった方はこのままズルズルいかずに早急にリセットモードに移行しましょう!
今回は“年末年始の体重リセット|実はとてもシンプル!減量の基本”についてお伝えします。
(年末のラーメン その①)
体脂肪を減らすには?
体重(体脂肪)1kgを減らすには何kcal消費すれば良いでしょうか?
脂質は9kcal/gなので”脂肪1kg(1000g)を落とすには9000kcalの消費が必要?”と思われるかもしれません。
しかし脂肪細胞の20%は水分やほかの物質で構成されているため、その分を省くと9000(kcal)×0.8(80%)=7200(kcal)
体脂肪1kgは”7200kcal”に相当することになります。
つまり
体脂肪が1kg増えた▶︎消費カロリーよりも摂取カロリーが7200kcal多かった
体脂肪が1kg減った▶︎摂取カロリーよりも消費カロリーが7200kcal多かった
ということです。
1ヶ月で1kgの体脂肪を減らしたい場合 ※1ヶ月は30日と仮定
7200(kcal)÷30(日)=240(kcal/日)
1日あたり240kcal分消費カロリーが上回る状態を継続できれば1ヶ月後には体脂肪が1kg落ちる計算になります。
そのためには
○摂取カロリーを減らす ▷ 食事
○消費カロリーを増やす ▷ 運動
これらについて解説していきます。
食事
エネルギー
忙しくて運動の時間がとれないけれど体重を落としたいという場合は食事の見直しを。いつも食べているものから減らせるものを見つけてみましょう。ここで見つけるのは余分な糖質や脂質の摂取源になっているものです。
“体重が増えもしないけど減りもしない”という方は平均して摂取カロリーと消費カロリーが大体同じになっている状態です。
“1日-240kcal生活”をコツコツ続けると1ヶ月後には脂肪が1kg落ちているはずですよ?
○毎日食べているお菓子をやめる または
○ジュースや砂糖入りのコーヒーは水、お茶、ブラックコーヒーに置き換える
○ご飯や麺類を大盛りで食べている場合は並盛りにする
○揚げ物は週1〜2回まで
いつもの食生活で心当たりがある方はこれらを実践するだけで-240kcalは簡単に達成できます。
食品のカロリーの例
・ご飯茶碗1杯(150g):240kcal
・バームクーヘン(1個30g):134kcal
・どら焼き(1個90g):256kcal
・大福もち(1個95g):223kcal
・ポテトチップス(60g):333kcal
・南部せんべい(1枚):65kcal
・清涼飲料水(500mL):120〜240kcal
・りんごジュース(200mL):90kcal
・ビール(500mL):200kcal
・缶酎ハイ(350mL):100〜200kcal ※糖質含有
たんぱく質
減量中はエネルギー出納がマイナスバランスになるため、十分なたんぱく質を摂取しなければ筋肉が分解され、基礎代謝が落ちてしまいます。
最低でも1.0g/kg(体重)、積極的に運動している方や筋肉りょうの増加を目指している方は1.5~2.0g/kg(体重)くらいとれるといいですね。
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に豊富に含まれているので毎食摂取しましょう。
またこれらの食品にはたんぱく質以外に食材由来の脂質も含まれています。必要なたんぱく質量をすべてこのような食品で摂取しようとすると、カロリーオーバーとなってしまう場合もあります。
○たんぱく質だけを増やしたい
○時間がなくておにぎりやパンだけで食事を済ませがち
といった方におすすめなのが“プロテイン”です。
最近では血糖値を上げない甘味料を使用したプロテインも発売されており、糖尿病の方でも安心して飲用できるものも多数あります。気になる方はお気軽にご相談ください♪
※腎機能が低下している方はたんぱく質を多く摂取することで腎機能の悪化や高カリウム血症となる場合があります。主治医や管理栄養士と相談して体に見合った量を決めましょう。
運動
運動のメリット
運動によって得られる効果といえばどのようなものが思い浮かびますか?
カロリーの消費以外にも
○筋肉量が増えて基礎代謝量が上がることで太りにくい体になる
○インスリン感受性が高まりインスリンが効きやすくなることで血糖値が下がりやすくなる
○骨密度の増加(骨粗鬆症予防)
○血行の改善
○ストレスの軽減
など運動にはたくさんのメリットがあります。
運動の消費カロリー
体重70kgで30分間以下の運動を実施した場合
・ウォーキング(速歩):140kcal
・ジョギング:210kcal
・ランニング:280kcal
・自転車:140kcal
・水泳:280kcal
いかがでしょうか。一般的な運動によって消費できるカロリーはそれほど多くありません。
アスリートのように日常的に強度の高い運動を長時間行っている場合は別ですが“余分に食べた分を運動で消費する”というのは簡単ではありません。運動をしても食事管理は必要と考えましょう。
先日から当院のInBody(体組成計)の結果表に以下のような運動別の消費エネルギーが記載されるようになりました。
計測された方はご自身がどんな運動でどのくらいカロリーを消費できるのか確認してみてくださいね?
目標設定
いざ食生活改善に取り組むと決めたらやるべきことは”結果目標”と“行動目標”の設定です。
結果目標は”こうなりたい”という最終的な目標(例:1ヶ月で1kg痩せる)、行動目標は結果目標を達成するために日々行うことの目標です(食事や運動などの具体的プラン)。
目標決定において重要なのは“具体的であること”と“無理のない設定であること”です。
例えば行動目標は
○お菓子を控える(控えるってどのくらい?量や頻度は?)
○運動する(どんな運動をどのくらいの時間?)
よりも
○お菓子は週2回まで、1回200kcal以下にする
○週5回、30分のジョギングをする
としたほうが具体的で実行しやすく、できたかどうかの評価も簡単です。
また全く運動習慣のない方が早く減量を進めたいと思うばかりに
○毎日2時間ランニングをする
という目標設定をしても現実的ではありません。”このくらいなら無理なくできる”と思える目標を設定し、継続できたら徐々にステップアップしていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
お正月太りも早めに食生活の改善に取り組むことでリセットは十分可能です。
○体重を減らすには “摂取カロリー<消費カロリー”が基本
○運動は筋力や基礎代謝の維持・向上が期待できる
○習慣的に運動する場合も”食事の管理”をあわせて行う
○無理のない具体的な行動目標の設定
以上を意識して早速トライしてみましょう!
また、体重は食後(飲水も)や発汗後(運動、入浴、サウナ)は飲食物の重さや体から水分が抜けた重さで変動するので正確な重さではありません。起床・排尿後など上記のような影響を受けないタイミングで測定するのがおすすめです。
最近のこと
今回運動についても触れましたが、私自身も昨年の秋からジムに通いはじめました。
仕事終わりは疲れていたり、帰宅して家事に追われていたりで時間がとれないこともあるので出勤前の早朝に”1時間”を目標に行くようにしています。
時間がないときは”30分の短縮コース”にする、それも難しければ夜に行ったり、翌日長めに運動したりと無理なく調整しながら頑張っています?♀️
食事管理も運動も継続するのは大変ですが、少しずつ体の良い変化を感じたり、同じように頑張っている方の話を聞いたりしながらモチベーションを保って頑張りましょう♪
先日、休日のランチで唐揚げ定食(推定1200kcal)を食べたので1時間頑張りましたが消費できたのは総カロリーの40%くらい・・・。
揚げ物はたまに食べるご褒美ですね?
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2024年1月26日 8:15
⦅ かきざき糖尿病内科クリニック ⦆
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(新年の稽古会、キツかった,,, 自分も段位取得のため少しずつ頑張ります。>院長)