糖尿病患者さんと地震対策

2021/02/15

週末13日夜に福島県沖で発生した地震は3.11の余震だったそうですね。

震度6弱~強の揺れを観測し停電や新幹線運休等の被害が出ています。

今回、糖尿病患者さんに知っておいて頂きたい【災害への備え・取るべき行動】についてお話しします。

事前の備え

①少なくとも1週間分の治療薬・必需品(自己血糖測定器・ブドウ糖などの低血糖発作用の捕食)

手帳(糖尿病連携手帳・お薬手帳・保険証)のコピー

を避難袋に準備しておくようお願いします。

また1型糖尿病やインスリン分泌が低下した2型糖尿病の方は、特に持効型インスリン(トレシーバ®︎やランタス®︎など)は多めにストックを持っておいて下さい。

水や食糧の3日分の備蓄

水は一人当たり1日3L, 食糧は水や熱源がなくても食べられるものです。

災害発生後すぐに水や食料が配られるとは限らないため備蓄が必要です。

避難経験者への質問で(最も不足していた食材は?)の答えは【野菜類】だったそうです。

以下URL:NHKのホームページで野菜の備蓄について詳しく紹介されています。

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避難所でのセルフケア

まずは①水をこまめに飲むこと。

トイレの心配などで水分摂取は控えがちになる被災者が多いそうですが、結果便秘や脱水となり、特に高齢者ではエコノミークラス症候群や重篤な糖尿病合併症を引き起こすことがあります。医師から水分摂取を制限されている場合を除いて、こまめな水分補給が重要です。

体をできるだけ動かすこと

 運動不足は【エコノミークラス症候群】などの原因となります。

エコノミークラス症候群とは足の血流が淀んで血栓(血管の塊)ができてしまう病気です。

その血の塊が剥がれて血流に乗っていき肺で詰まると(肺塞栓症)となり命にも関わります。

散歩やストレッチをこまめに行いましょう。

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③食事について

 災害後は流通やライフラインの途絶によって食事摂取が不安定となりますが、食糧支援が届くようになるとインスタント食品やおにぎり・菓子パンなど糖質の多いものに偏りがちとなります。

また食事回数も支給時間(10時, 16時など)の1日2食となることが多く、血糖値は不安定になります。

食べ過ぎないようにする・汁物の汁は残す・清涼飲料水は控えるといった工夫が必要となります。

避難生活中はできるだけ体重・血圧・血糖値を測ることが大事です。

ストレスや睡眠不足・塩分の取り過ぎで血圧が上昇する方も多くおり、【心筋梗塞などの循環器疾患の予防】も重要です。

④薬剤について

 これは普段から主治医と話しておくことが大事です。

DPP4阻害薬は比較的安全に用いることができますが、一方、SGLT2阻害薬は脱水の危険が増したり、αGIは放屁や胃腸の不具合、ビグアナイドは血液を酸性に傾けたり等、注意するポイントが多くあります。

今後のブログや糖尿病教室再開後に詳しく説明しますが、もし今知りたいという方は遠慮なく診察室で聞いて下さい。

最近

防災対策で①テントと②寝袋、③携帯枕、④床に敷くマットを一式揃えました。

上にも書きましたが、睡眠不足は不調を招きます。

テントは寒さを凌げますし,プライバシー空間にもなります。

いざという時はトイレを設置することもできます。

マットは段ボールでも代用可能です

(春になったら山で試してみようと思います)

⦅ かきざき 糖尿病内科クリニック ⦆ 

 〔花粉症や不眠・貧血などの一般内科外来〕

 〔専門医による糖尿病外来〕〔甲状腺外来〕〔ダイエット外来〕

 〔糖尿病療養指導資格を持った管理栄養士による栄養指導〕

  青森県青森市篠田2-20-15

  017-757-9080

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