2021/11/25
みなさんこんにちは 管理栄養士の下山です。
11月になり、一段と寒さが厳しくなってきました。寒くなると鍋物などあたたかいお料理がよりおいしく感じられますね。
さて、寒くなると心配になるのが「血圧」です。気温が下がってくると血管が収縮することで血圧が上がりやすくなるほか、あたたかい汁物、鍋物など高塩分な料理を食べる機会が多くなります。
健康な方もそうですが、血圧が高めの方、心臓や腎臓の機能が低下している方は塩分の取りすぎにはより一層注意が必要です。調理の際にひと工夫して、減塩しながら季節のお料理をおいしくいただきましょう。
適切な食塩摂取量
今年8月のブログでも触れていますが、日本人の1日当たりの塩分摂取の目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」より)
すでに高血圧がある人は6.0g未満(「高血圧治療ガイドライン2019」より)を推奨されています。
令和元年の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)の結果では、塩分摂取量の平均は男性10.9g、女性9.3gであり年々減少傾向ではありますが、まだまだ適切な塩分量よりも多く摂取しているのが現状です。
鍋物の塩分量
最近では定番の寄せ鍋やキムチ鍋のほか、豆乳鍋、坦々鍋、トマト鍋など鍋つゆの種類もとても豊富になってきました。
製品によって若干の差はありますが、平均すると1食あたり鍋つゆの塩分量は3~5gほどです。
それに高塩分な具材が加わったり(練り物やウインナーなどの加工品)、1人前以上の量を食べたとすると塩分摂取量はさらに多くなります。
組み合わせる具材や食べる量によっては、1食で1日分あるいはそれ以上の塩分量を摂取しているということもあるでしょう。
塩分控えめで鍋物を美味しくいただくポイント
野菜類をたっぷり活用
野菜に多く含まれるカリウムにはナトリウムの排泄を促す作用があります。
しかしカリウムは水溶性で水に溶け出す性質があるため、長時間にこんでしまったり小さくカットすると野菜の断面と鍋つゆの液体部分に触れる面積が大きくなってしまうことから鍋つゆへの流出が多くなってしまいます。
野菜は少し大きめにカットして軽く火が通ったタイミングでいただくのが良さそうです。
練り物、の使用量は控えめに
ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、ウインナーなどの加工品も鍋の具材として人気です。
しかしこれらは1個あたり0.5〜1.0gの塩分を多く含むため、食べる量は少なめにしたほうがよいでしょう。
魚は、塩たらなどの塩蔵品ではなく、生のものを使うのがおすすめです
しっかりだしをとる
水炊きなど下味をつけない鍋の場合は昆布やかつお節からしっかりだしをとりましょう。だしの旨味を効かせることで、つけだれの量を少なめにしても十分おいしくいただけます。市販のだしパックは鍋に入れて沸騰させるだけで無塩のだしがとれるので手軽でいいですね♪
酸味を活かす
塩味を抑えつつ味にメリハリをつけるとなると酸味をうまく活用することがポイントです。レモン鍋やトマト鍋など酸味を効かせただしでお鍋を楽しんでみるのも良いと思います。
薬味で風味をプラス
ゆず、すだち、もみじおろしなどの薬味を少しプラスするだけで風味豊かになり薄味でもおいしくいただけます。最近ではチューブ入りのものも市販されており、とても使いやすいですね。
まとめ
「減塩」と聞くと、おいしくなさそう、手間がかかりそうで必要性は分かっていつつも実行できない、という方も多いかと思います。
確かにもとの味付けから塩分を減らすだけの減塩では味気なく、次第に食欲も湧かなくなってしまいます。食事とは本来人の楽しみのひとつですから、我慢するだけの食事療法は短期的な実践は可能でも継続は難しいでしょう。
減塩継続のポイントは「おいしい」「不要な手間や費用をかけない」「楽しくできる」ことかと思います。
減塩でお困りの方、おひとりおひとりに合った無理のない減塩方法のご提案、実践するためのお手伝いをさせていただきますのでいつでもお気軽に下山までご相談ください♪
次回の下山ブログは【実践編〜減塩鍋レシピ】を更新予定です??
2021年11月25日 9:00
⦅ かきざき 糖尿病内科クリニック ⦆
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