糖尿病の歴史 〜 今年はインスリン発見100周年??(前半)

 

こんにちは。

 

2021年11月10日(水)14時、青森市は朝の快晴から一転して大雨です。

 

昼休み、糖尿病の歴史について書いています。

 

 

糖尿病の歴史は古く、古代エジプトの時代から

 

 

これは、50年前にエジプトで発行された切手です。

 

紀元前1550年頃の古代エジプト、パピルスに記載された糖尿病の記録です。

 

『尿がたくさん出る』と書かれています。

 

血糖値が高い状態が続くと、浸透圧利尿といって糖に水が引っ張られて尿が増えます(多尿)。そして喉が渇き、水をたくさん飲むようになります(口渇・多飲)。また、血糖値が高いとインスリンがうまく働かなくなって痩せていきます(体重減少)。この4つは糖尿病の典型的な症状です。

 

 

今年7月に青森市の三内丸山遺跡が世界遺産に登録されることが決まりましたが、糖尿病はその縄文の頃からありました。驚きです!

 

 

日本で最初の糖尿病は、平安時代

 

 

これは1994年に日本で発行された切手です。

 

描かれているのは日本で最初の糖尿病患者さん、藤原道長という平安時代の貴族です。

 

藤原道長は宮中で大変な権力を持った人で、光源氏のモデルとも言われています(源氏物語のほう)。

 

晩年は失明し、最後は傷からの化膿→敗血症で亡くなりました。

 

失明は糖尿病合併症の糖尿病網膜症、化膿は糖尿病の易感染性(細菌やウィルス感染に対し抵抗力が弱くなること)によると考えられています。

 

六角形の物はインスリンの結晶です。

 

余談:光GENJIが流行っていた平成元年頃、自分は平安京エイリアンというゲームにハマっていました(ゲームボーイ)。

 

 

 

 

戦国時代、信長も家康も糖尿病だった?

時は流れて戦国時代、織田信長や徳川家康も糖尿病だったという説があります。

信長は、「飲水病」(糖尿病症状の口渇・多飲?)、「手足のしびれ」(糖尿病神経障害?)の記録があります。

一方、家康は平均寿命50歳の時代に73歳まで生きました。食事や運動(武芸)を頑張っていたようです。

家康が好んだ八丁味噌は大豆イソフラボンが豊富で抗酸化作用が強いと言われています。

愛知県は長寿県として毎年上位に食い込んでいます。八丁味噌との関連も気になります。

信長と家康、糖尿病であれば2型糖尿病と思われます。

2型糖尿病は、現在日本の糖尿病のうち9割を占める一般的な糖尿病です。遺伝や肥満によって発症することが多く、膵臓(すいぞう)からインスリンは出ています

1型糖尿病

かたや、1型糖尿病という病気があります。

1型糖尿病は、何らかの原因によって膵臓のベータ細胞が破壊されインスリンが出せなくなる病気です。自己免疫や遺伝、ウィルスなどが関連していると言われています。

1型糖尿病、日本の有病率は約0.1%(人口10万人あたり100人)です。発症率は10万人当たり 1.7人です。ただ、北欧のフィンランドでは発症率、10万人あたり37人と多く、地域間・人種間で差があります。

発症は若い方に多く、ピークは思春期(男児 13歳、女児 10歳)です。

インスリンは、体が糖をエネルギーとして利用する際に必要なホルモンです。

1型糖尿病は膵臓からそのインスリンを分泌することができなくなるため、体がエネルギー不足になり、また血糖値が上昇します。

唯一の治療法は、インスリン注射です。が、インスリン発見前の世界では1型糖尿病の治療は悲惨でした。

(時間切れ、、後半に続く)

今日は母校へ

 

先ほど、校医の仕事で母校に行ってきました。

 

校舎は新築されていましたが、食堂は自分がいた頃と変わっていませんでした。

 

 

 

受験生、睡眠不足やストレスによる失調など大変ですが、あとひと頑張りです。応援しています。

 

(学生に勧められた味噌ラーメンと鶏の唐揚げ。さすが16~18歳の胃、)

 

 

2021年11月10日 14:00

⦅ かきざき 糖尿病内科クリニック ⦆ 

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