飲み物のカリウム・カフェインの過剰摂取に要注意☕️

 

みなさんこんにちは 管理栄養士の下山です。

 

 

気温も20度以上の日が続き、あたたかくなっていましたね。

 

 

これからますます気温が上がり積極的な水分補給が必須となりますが、みなさんはどんな飲み物を選んでいますか?

 

 

糖尿病のある方やダイエット中の方は水、お茶など”カロリー・糖質を含まない飲料”が中心かと思います。

 

 

・水だと味気ないから、飲み物はお茶やコーヒーが多い。

 

・糖尿病には緑茶やコーヒーが良いと聞くから積極的に飲んでいる。

 

 

栄養指導時、このような声をよく聞きます。

 

 

カロリーや糖質という面では”0kcal“であればいくら飲んでも問題ないことになりますが、水以外の飲み物にはミネラルなど様々な成分は含まれています。

 

 

今回はそのようなカロリーや糖質以外の成分で覚えておきたい成分のお話しです。

 

 

 

 

飲み物由来のカリウム/カフェインの過剰摂取に要注意

 

 

コーヒー緑茶といえば健康的といわれる飲み物の代表的なものですね。

 

 

コーヒーに含まれるクロロゲン酸や緑茶に含まれるカテキンはがん予防や抗酸化作用が期待できるとされています。

 

 

これらの飲料には一緒ににカリウムカフェインも含まれています。

 

 

これらは過剰摂取によって健康状態を悪化させる恐れのある成分です。

 

 

健康のために摂取していたのに、過剰摂取によってかえって状態を悪化させてしまった・・・

 

 

といったことが起こらないよう、あらかじめ適した量を覚えておきましょう。

 

 

 

カリウム

 

<目安量>

健常者(18歳以上):男性2500mg/女性2000mg

カリウム制限を要する場合:1500〜2000mg以下(病期によって異なる)

 

 

カリウムは体内の水分バランスや神経伝達などに関与するミネラルです。

 

 

通常余分に摂取した分は尿と一緒に体外へ排泄されます。

 

 

しかし糖尿病腎症の進行や慢性腎不全などで腎機能が低下している場合は十分に排泄することができず血中に溜まりやすくなり高カリウム血症へと繋がります。

 

 

高カリウム血症・カリウムの多い食品/飲料についてはこちらで詳しく解説していますので併せてご覧ください。

過去記事:カリウムの取りすぎに注意!制限時のポイント

 

 

飲み物ではコーヒーや玉露に多く含まれています。

 

 

そのほか牛乳や豆乳にも意外と多く含まれていますので、腎機能が低下している方で1日2杯以上摂取している方は注意が必要です。

 

 

カリウム値を指摘されたら、食事の見直しと併せて

 

 

・水やカリウムの少ないお茶で水分補給を行う

 

 

・カリウムを多く含む飲料は飲む量・頻度を減らす

 

 

ということも意識してみましょう。

 

 

 

カフェイン

 

<目安量(1日あたり)> ※日本では明確な基準や具体的な摂取量の目安がないため、以下参考

・世界保健機関(WHO)▶︎ 妊婦:300mg以下

・米国食品医薬品局(FDA)▶︎ 成人400mgまで/妊婦はかかりつけ医と要相談

・欧州食品安全機関(EFSA)▶︎ 成人:400mgまで(1回200mgまで)/妊婦:200mgまで

 

 

カフェインの効果は眠気ざましのほか、代謝向上による脂肪燃焼効果の促進といった効果も期待できるとされています。

 

 

しかし過剰なカフェイン摂取はアドレナリンなどの血糖値を高めるホルモン分泌を促し、インスリンの機能を妨げる可能性があるという報告もあります。

 

 

まためまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠といった症状を誘発する場合もあります。

 

 

不眠にも繋がることから夜遅い時間や就寝前には飲まないようにするなど工夫も必要になりますね。

 

 

摂取量が多いかも?と感じたら

 

 

・カフェインの多い飲料を摂取する量や頻度を減らす

 

 

・ノンカフェインやデカフェ飲料へ置き換える

 

 

などの工夫をしてみましょう。

 

【参考:飲料のカフェイン量(100mLあたり)】

・コーヒー 60mg

・玉露 160mg

・煎茶 20mg

・番茶 10mg

・ほうじ茶 20g

・玄米茶 10mg

・ウーロン茶 20mg

・紅茶 30mg

・エナジードリンク 30〜40mg

※マグカップ1杯250〜400mlL,エナジードリンク1本250〜350mL程度です

 

 

まとめ

 

糖尿病に良いといわれるコーヒーや緑茶。

 

 

カテキンやクロロゲン酸といった有効成分を含むことから、積極的に摂取される方も多いかと思います。

 

 

しかしカリウムやカフェインなど、過剰摂取に注意すべき成分も含まれていることを覚えておきましょう。

 

 

食べ物の◯◯という成分が良い”と聞くと、ついその成分のみに注目していまいますが食品はそのほかにも多数の成分を含んでいます。

 

 

よってひとつの成分だけに注目して特定の食品を過剰に摂取することは、同時に含まれるほかの成分の過剰摂取につながる可能性もあるということです。

 

 

カリウムやカフェインは市販食品でも含有量が必ず表記されているわけではありませんから

 

 

・1日にどのくらい摂取しているか

 

 

・過剰摂取になっていないか

 

 

ということが分かりづらいものです。

 

 

カリウムの数値は定期受診の採血結果で確認することができますから、今まで指摘されたことがない方もチェックしてみてください。

 

 

カフェインについてはカリウムのような評価が難しいため

 

 

・コーヒーを3杯以上飲む

 

 

・エナジードリンクをよく飲む。

 

 

という方は量や頻度を減らす、ノンカフェイン飲料へ置き換えるなど工夫してみましょう。

 

 

 

私もコーヒー好きで毎日飲んでいますが、1日2杯を超えたらそれ以降はノンカフェインのお茶やデカフェのコーヒーに切り替えるようにしています☕️

 

参考

1)日本人の食事摂取基準(2020年度版)|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

2)日本食品標準成分表2020(八訂)|文部科学省

https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

3)Restricting caffeine intakeWHO recommendations on antenatal care for a positive pregnancy experience

https://www.who.int/publications/i/item/9789241549912

4)Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?|FDA

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/spilling-beans-how-much-caffeine-too-much

5)Scientific Opinion on the safety of caffeine|EFSA

https://www.efsa.europa.eu/de/efsajournal/pub/4102

 

 

(当院のコーヒーコーナー)

 

今月11日は開院4周年だったのですが、お祝いに珈琲豆を沢山いただきました。皆さん、ありがとうございました。

 

 

これからも、HbA1cの管理目標達成、合併症発症予防・進行抑制、がんの早期発見、そして患者さんのQOL向上のためスタッフ一同がんばっていきます。

 

 

2024年5月21日  15:10

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