2020/08/31
みなさんこんにちは、管理栄養士の下山です。
明日から9月ということで、暦上では季節が夏から秋へと変わります。気温が20度を下回る時間帯もあり、だいぶ肌寒く感じるようになりました。
気温が下がってくると、食事の中に温かいお味噌汁やスープがほしくなりますね。汁物といえば塩分のイメージが強い方が多いかと思います。
そこで今回は「日本人の食塩摂取事情」についてお話しします。
日本人の食塩摂取量
厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量は1日あたり男性11.0g、女性9.3g、平均10.1gとなっています(平成30年時点)。
直近10年間の食塩摂取量の推移をみると日本人の食塩摂取量は減少傾向にあります。
また年齢別にみた場合、最も食塩摂取量が多いのは男女共に60代だそうです。
食塩摂取量の目安
厚生労働省(日本人の食事摂取基準2020年版)が推奨している日本人の目標値は、男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満です。
また、日本高血圧学会では高血圧患者の減塩目標は、男女とも6g/日未満としています。
実際に目標値と現状値を比較してみると、食塩摂取量は未だ多いことがわかりますね。
減塩の必要性
過剰な食塩摂取が高血圧の原因となることはみなさんご存知かと思います。
高血圧が原因となって引き起こされる疾患には心臓病や脳卒中などがあります。そのほか腎結石や骨粗鬆症、胃癌などにも関係しています。
このような疾患の予防、また重症化させないためにも日頃から食塩をとりすぎないことが大切になります。
日本人の食塩摂取源は?
日本人の食塩摂取は約7割が調味料(しょうゆ、塩、みそなど)、つまり料理の味付けに関わる部分からであることがわかっています。
下の表は調味料以外で食塩摂取源となっている食品のランキングです。
この結果から、調味料以外ではカップ麺や漬物、塩蔵品などからより多くの食塩を摂取していることがわかります。
このような食品を習慣的に摂取している場合には1回量や摂取頻度を見直した方がよいでしょう。
減塩のポイント
卓上調味料を使わない または 少量を「つけて」食べる
いつも習慣でなんとなくしょうゆやソースをつけていたものでも、意外とそのままの味で食べられるものも多くあります。
まずは何もつけずに食べてみて、どうしても物足りなければ調味料を小皿にとって少量つけるようにしましょう。
減塩調味料・食品を使用する
しょうゆやみそ、顆粒だしなどの食塩を多く含む調味料には減塩タイプの商品も多く出回っています。
また、梅干しやハムやベーコンなどの加工品も同様に減塩タイプのものがありますね。
例えば梅干し1個(10g)の食塩相当量は約2gですが、50%減塩した商品であれば食塩摂取量を約1gも減らすことができます。
しかしながら減塩タイプだからという安心感で使用量や食べる量が多くなってしまっては意味がありません。通常のものと同量で置き換えるようにしましょう。
酢・香辛料・香味野菜を使用する
酢や胡椒、唐辛子などの香辛料は、食塩を含まないため、血圧への悪影響はありません。風味づけに積極的に使用しましょう。
メインとなる魚料理や肉料理はしっかり味付けをして、副菜は酢の物など食塩が少なめのものにすることで味付けの物足りなさを感じずに美味しくいただけます。
麺類の汁は全部飲まない
ラーメンやかけそば、かけうどんなどついついスープまで飲み干してしまう場合もあるかと思います。
しかし先ほどのランキングにもあったとおり麺類(特にスープ)は多くの食塩を含んでいます。
健康のためには残すのがベストです。
食べるとどうしても飲んでしまう、という方は麺類を食べる頻度を減らすようにしてみましょう。
汁物は具だくさんにする
標準的な汁物の食塩量は1杯あたり1~2gです。
しかし同じ汁物でも具材の量を増やすことで汁の量が減るため減塩になります。
最近では「おかず味噌汁」としても注目されていますね。
きのこ類や野菜をたっぷり使用することで食物繊維もとれますよ♪
まとめ
今回は日本人の食塩摂取の傾向と減塩のポイントについてまとめてみました。
まずは日頃の食生活を振り返り、今現在実践できていること、できていないことに分類しましょう。
そして「できていないこと」の中で「これならできそう!」というものから始めていきましょう。
ポイントを抑えて実行に移すことで効率よく減塩できますよ☆